職種の枠をこえて組織横断的に進めて行くクリニカルパスに参画するには、やはり薬剤師として薬に関する情報を入手、整理し活用して行く力をつけてなくてはいけないとこれからの目標ができたセミナーでした。






 桜の花がちらほら咲き始めた、風の強い日に武蔵野赤十字病院のパス大会見学会に参加してきました。学会ホームページで公開パス大会開催の情報を知るたびに「行きたい」と思いながら、あまりに遠かったり、仕事が重なったりで行けませんでした。近場での開催に心躍る思いで出かけました。会場には各科で使用しているさまざまなパスが展示してあり、そのひとつひとつをゆっくり見ることはできませんでしたが、すごいなあ、さすがだなあというのがその時の正直な私の感想です。放課後のクラブ活動で取り組み、頑張ってきたという田中先生の言葉にどこも大変だなと思わず苦笑してしまいました。前立腺全摘出術の術後ケアの内容が会場でのディスカッションで一気に改善され、パス大会の醍醐味を味わったような気がします。院内だけでなく、全国から集まった人達と話し合えるとはなんと素晴らしいことでしょう。その後の学会メーリングリストのやり取りの中で熊本の副島先生が「このパス大会がきっかけで前立腺全摘出術のケアが標準化されるでしょう」とおっしゃったことの意味が良くわかりました。
 企画調整課で担当しているという院内LANを利用したパスの印刷ツールも機能的だなと感心致しました。ITを徹底的に使いこなせる専門の職員がいるとは心強い限りではないでしょうか。業者ではなく職員同士として「ああしたい」「こうしたい」と言えるのは羨ましい限りです。便利な道具があるということはパスを推進させるひとつの力になると考えます。このシステムができる前は病棟がコピーだらけだったとのお話に人材活用の結果がもたらす効果の大きさを感じました。

   診療記録の変遷についての講演と院内見学で見せていただいた診療録の説明を受けながら、同じ急性期医療を担う看護部として課題を少しずつクリアしてきた様子が良く理解できました。当院でもパスを使用している患者の看護記録について、標準看護経過記録として対応してきましたが、今後一元化も目指してオールインワンパスや日めくりパスへと発展させていきたいと思います。
 当院でのパスへの取り組みは早かったのですが、その後やや停滞気味となり昨年5月、パス委員会を新たに立ち上げ、活動が少し軌道に乗ってきたところです。作成の進まなかった内科系のパスも次々とできるようになりました。でもまだまだアウトカムの基準やバリアンス分析、記録など課題は山積しています。今回のパス大会に出席して、数々の解決策を見せていただきながら、次の機会には、当院でパス作りに取り組んでいる看護師や医師も一緒に参加したいと思いました。西多摩パス研究会を立ち上げようとの噂も耳にしています。同じ地域に住むもの同士、一緒に頑張りたいです。




 介護保険制度がスタートしてはや5年になります。クリニカルパス学会にケアマネジャーの資格を持つ方々は多いと思いますが、本当にケアマネジャーとして働いている専属ケアマネには、今のところお目にかかったことはありません。これに目を通している多くの先生、医療関係者の方々が、なんでケアマネがこの学会に???と思われているかもしれません。もともと看護師であった私は、当時からクリニカルパスには興味を持っていましたが、何の因果かケアマネジャーとなり、在宅のケアマネとして、ケースを多く持てば持つほど、医療機関との関わり、連携の重要性を認識するに至りました。ケアマネの役割は、少しの家事サポートや介護が必要な方に、その方に適したサービス提供をプランニングして、生活課題を充足させること、さらには、自立支援とQOLの維持向上を実現し、その方がその方らしく日々をすごせるよう支援していくことです。自立支援、QOL向上はまさにキーワードであり、この成果を出せるかどうかが、ケアマネの腕の見せ所であり、存在価値に値してくるといっても過言ではありません。さて、ケアマネジメントを行うにあたり、高齢者と切っても切り離せないのが、病状管理、健康管理です。

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