今年の4月から病院薬剤師として勤務をし始め約4ヶ月が経過し、何か新しいことについても勉強したいと考えていた時に今回の第6回日本クリニカルパス学会教育セミナーが「薬剤師業務に必要なクリニカルパスと医療の標準化」という内容で開催されるのを知り、クリニカルパスについてほとんど何の知識ももたない状態でしたが、今後の自分自身の薬剤師業務に必要になってくるものだと思い今回のセミナーに参加させていただきました。
 セミナーの中での手稲渓仁会病院の本郷先生と済生会熊本病院の飛野先生は、クリニカルパスを行うことによって生じる利点や、それを行うにあたって病院内で必要になってくる組織環境について、実際にパスを行うことによって得られた様々なデータ値等を用いて講演していただいたので、理解しやすく大変勉強になりました。特にクリニカルパスに薬剤師が関わっていくためには、もっと積極的に臨床の現場に出て行き(チーム医療を行っていく上での基礎としても)各部署との連携がとれるようになっていかなければならないという事を、両病院ともに薬剤師がクリニカルパス作成や実施に参加しているというお話を聞き実感しました。
 聖路加国際病院の井上先生のご講演では、薬剤経済学といったこれまでほとんどなじみのなかった分野のお話でしたが、具体例として市中肺炎治療モデルや5−HT3受容体拮抗剤の嘔吐抑制効果といった実際の治療で求められたデータを示して説明していただいたので薬剤経済学というものの考え方がどの様なものであるかという事が理解できました。薬剤効果の評価方法の設定や分析法等、実際の業務に薬剤経済学といった考え方を取り入れていこうとするには難しい面もあると考えられますが、今後この様な考え方をもって様々な面(医療経済全体や薬剤経済を考えた結果として生まれる患者の利益等)での医療の充実化を目指して行きたいと感じました。


 


 函館五稜郭病院の岡田先生のご講演では、クリニカルパス全体の流れや導入することによって生まれてくるチーム医療の推進、各医療従事者の意識改革やスキルアップといったメリット、薬剤師に望んでいる事等をお話していただき大変勉強になりました。
 このセミナー全体を通して感じた事は、クリニカルパスに薬剤師が参加していくには、病棟(臨床現場)にもっと積極的に出て行き、そこで医師や看護師にチーム医療を担う一員として薬剤師の職能を再認識してもらう必要があるという事です。そのためには自分自身の薬剤師としての薬物療法等の知識を発展させていく様、日々研鑚に努めていかなければならないと感じました。今回のセミナーでは日常の業務では得られない様々な考え方などを聞くことが出来、大変勉強になりました。



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