理事長挨拶
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日本クリニカルパス学会新理事長挨拶

副島 秀久会長

日本クリニカルパス学会理事長
副島 秀久
(済生会熊本病院 院長)

昨年の第14回学術集会理事会にて選出され、評議員会・総会での承認を得て、第3代の本学会理事長に就任いたしました副島秀久です。当学会はクリニカルパスの開発、普及、啓発、教育研究などを目的に1999年に須古博信元理事長を中心に発足し、2007年より福井次矢前理事長に引き継がれ、2013年総会後私がお引き受けする事となりました。

ご承知のようにクリニカルパスは1980年代に米国のカレンザンダーによって開発され、当時のDRG/PPS(診断群別包括支払診療報酬制度)*の導入により、パスの普及が加速されました。日本では1990年初め頃よりパスの研究が始まり、1990年代半ばより先進病院を中心に導入が開始されました。1999年のパス学会発足当初から、インフォームドコンセントや医療の質向上、チーム医療の実現など患者や社会の求めに応じ、また医療提供体制の変化に対応するためにパスの普及が進みました。

パスの中心的な概念でかつ最も革新的な部分は「本来、生物現象である医療に工学的手法はなじまない」という旧来の考えを打破し、治療プロセスはある程度標準化が可能でありアウトカムという目標管理とバリアンスという逸脱の認識により工程管理を行う事ができる事を証明したことにあります。当初の標準化=画一化批判やcooking book論を打ち破り、いまや質管理やチーム医療に欠くべからざるツールとして位置づけられています。もちろん我が国でもDPC/PDPSという一日定額の診療報酬制度が普及するにつれ、パスのプロセス管理機能やパスによる標準原価計算などが行われるようになり、さらに安全で精度が高く効率的な医療が普及する事になりました。

一方で電子カルテは新たな課題を投げかけています。電子カルテの導入はパスに書かれているオーダーを一括で可能にすることはできましたが、肝心の患者の目標管理という視点は残念ながら抜け落ちていました。加えて電子クリニカルパスの記録機能も不十分でアウトカム設定、バリアンス収集なども期待通りの結果をもたらすことができず、一括オーダー機能のみをもって、便利な電子クリニカルパスという誤解すら生まれてきました。これでは医療の質向上は望めませんし、医療プロセスを見直す機会さえ、生まれません。

現状を打開し、電子クリニカルパスを本来の質管理に使えるようにするためにはその環境をまず整える必要があります。当学会用語・出版委員会で2011年に出したBOM(Basic Outcome Master)は電子カルテ上でのパス作成、バリアンス収集、ベンチマーク、互換性の担保などを目的としたもので、これにより用語の標準化とデータ収集が可能になります。もちろん電子カルテ側の細かい対応も必要であり、ベンダー、他学会と共同でクリニカルパスの電子化を進めていきたいと考えております。

また、クリニカルパスの質を維持・向上することおよびその人材を育成することを目的として専任の「資格認定制度」が発足し、2016年度に第1回の資格認定を実施する予定です。これによりさらなる進歩がもたらされると期待しております。まだまだ多くの課題を抱えておりますが、幸い理事、評議員、会員の皆様が柔軟でオープンであり、そのご支援を得て真の電子クリニカルパス開発に向けてチームで取り組みたいと思います。




定義

当学会の公式定義として定めました。

クリニカルパス(略名:パス)の定義

患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む標準診療計画であり、標準からの偏位を分析することで医療の質を改善する手法

電子クリニカルパス(略名:電子パス)の定義

情報通信技術(ICT)を用いて標準診療計画を作成し、標準診療計画に基づく診療の実施を支援し、患者個別の診療状況とその評価を記録し、逸脱事例の集計と分析などを処理する医療管理手法

電子クリニカルパスシステム(略名:電子パスシステム)の定義

電子クリニカルパスを実現するための情報システム



設立の趣旨

 世界的に医療の標準化の重要性が見直されている今日、患者ケアの質的向上と効率化という、ある面で相反する目標を追求する効果的な医療手段としてクリニカルパスへの関心が高まっています 。
 クリニカルパスを効果的に運用するためには、医師、看護婦、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床検査技師、作業療法士、放射線技師、介護福祉士、病院管理者、医療事務担当者、行政側および患者など全ての医療に関わる人々が、チームとして一体となった医療がもっとも必要とされます。さらに様々な医療を支援する企業との連携も不可欠となるでしょう。
 本学会は、特にチーム医療によるクリニカルパス手法の更なる普及を目指し、患者中心の医療・ケアにより貢献したいという願いから設立されました。


事業目的

 臨床現場における具体的なクリニカルパスの導入・運用および改善を支援することを目的とします。




事業内容
 
  • 年1回の学術集会
  • 年2回の学会誌発行
  • クリニカルパス運用についての助言・相談の提供(メーリングリスト)
  • クリニカルパスの研究会、講演会およびセミナーの開催
  • クリニカルパス研修のための国内外における視察と研修
  • ニュースレターの発行(年2回)
  • その他本学会の目的達成のために必要な事業


著作物

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